睡眠不足と肥満は、近年ますます増加している健康問題です。
どちらも心身の健康に、深刻な影響をおよぼす可能性があります。
この2つには関連性があることが、研究で示唆されています。
今回は睡眠不足がどうして肥満を引き起こすのか、その原因を解説します。
睡眠不足とその影響
睡眠不足とは、十分な睡眠がとれていない状態を指し、睡眠環境の不備、ストレス、特定の病気など、さまざまな要因によって引き起こされます。
睡眠不足の主な症状には、疲労感、イライラ、集中力の低下、認知機能の低下などがあります。
肥満とその影響
一方、肥満は体脂肪が過剰であることが特徴です。
肥満は、心臓病、糖尿病、ある種のがんなど、さまざまな健康問題の主な原因になりえます。
近年、肥満の割合は増加傾向にあり、世界的に健康危機が起きているとみなされています。
睡眠不足で食欲のホルモンバランスが変わる
最近の研究では、十分な睡眠をとっていない人は、肥満になるリスクが高いという結果が発表されています。
これは、睡眠不足が食欲や代謝を調節するホルモンを変化させることが原因であると考えられています。
具体的には、睡眠不足は食欲を刺激するホルモンであるグレリンのレベルを上げ、食欲を抑制するホルモンであるレプチンのレベルを下げます。
その結果、食事量が増え、体重増加の一因となることがあるのです。
ストレスホルモンの増加で脂肪が増える
さらに、睡眠不足はストレスホルモンであるコルチゾールの分泌を増加させる原因にもなります。
コルチゾール分泌のバランスが崩れると、腹部の脂肪が増加し、心臓病などの健康障害のリスクが高まると言われています。
インスリン抵抗性を引き起す
さらに、睡眠不足は、体内の細胞がインスリンに正しく反応しない「インスリン抵抗性」を引き起こすこともあります。
インスリン抵抗性は、肥満の主な危険因子である2型糖尿病につながることがあります。
このように睡眠不足は、肥満につながる様々な状態の変化を発生させます。
睡眠不足と肥満は互いに影響しあう
また、睡眠不足と肥満は、互いに影響しあう場合があることも、注目すべき点です。
睡眠不足は肥満のリスクを高めるだけでなく、肥満になることで、睡眠のパターンや質が乱れる場合もあります。
胸に余分な体重がかかると、睡眠中に気道がふさがり、夜中に何度も目が覚める「睡眠時無呼吸症候群」が引き起こされることがあります。
このため、肥満が睡眠不足を引き起こすこともあるのです。
まとめ
睡眠不足と肥満は、心身に悪い影響をおよぼす、深刻な健康問題です。
睡眠不足は肥満のリスクを高めますが、その逆もまた然りで、両者には関連性があることが研究で示唆されています。
ですので、健康的な体重を維持するためには、十分な睡眠をとることが重要なのです。
よく眠れるようになるための方法は、次の記事で紹介しています。